特発性肋膜炎に於ける喀痰及び滲出液の結核菌の態度並びに之より観たる其の予後に関する研究
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概要
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著者は特発性肋膜炎発症者に於て滲出液中の結核菌が其の発症に際し,如何なる役割を演じ如何に消長するかをツベルクリン皮内反応及び赤血球沈降速反応値の推移と共に観察し,特発性肋膜炎発症の実体を把握し,併せて特発性肋膜炎を経過したる患者に就て同様事項の外,更に喀痰菌培養を行い同症予後の研究を行つた。対象は昭和21年より昭和25年3月迄に石川内科に入院した特発性肋膜炎72例に求め,岡,片倉培地を用い,1週間毎に喀痰及び滲出液中の結核菌を培養し,ツ反応は旧ツベルクリン2000倍液を用い48時間後に測定し,赤沈はウエスターグレン法に従い1時間値を測定し,50mm以上を高度促進,20〜49mmを中等度促進,10〜19mmを遅延とし,20mm以上を変動とした。尚,予後に関しては対象を昭和16年以降昭和24年12月迄に石川内科入院患者に来院を求め,来院者には胸部X線撮影,ツ反応,赤沈及び喀痰培養を実施し,来院不能者には昭和25年'12月現在の健康状態を解答せしめ,結局来隊者50名書状に依る解答者51名計101名の予後に就て調査し次の結論を得た。
- 千葉大学の論文