結核性並びにロイマチス性疾患の際の心筋並びにその他臓器障碍に就いての臨床的研究
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概要
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結核性疾患に於て心筋並びに他臓器障碍の発生を見る事は古くより認められ,且心電図学の発達に依りその発生に就き液潴溜による圧迫又肺循環系の障碍或いは結核菌毒素に依る影響等種々論ぜられて来たが,故馬杉教授は結核アレルギー性反応の関与に依り特定の結核病竈をFocusとして結核菌自身よりもツベルクリン様毒素を血行中に移行せしめ,アレルギー機転により,漿液性腎炎及び肝炎並びに漿液性(ロイマチス性)心炎の発現の可能なる事を述べ,その実質性臓器に於ける現われはEppinger教授の所謂漿液性炎症の概念とその撥を一つにすべきものである可しと論ぜられている。亦結核症とロイマチスとの関連に就いてはPoncetに依りロイマチス結核説が発表されて以来多くの人々により種々論ぜられて来たが,馬杉教授はその特異な像は上述の如く心内膜炎及び心筋炎が高次の結核アレルギーに依り招来される事の可能なるべき事を述べている。
- 千葉大学の論文