癌疾患の際の諸種癌反応の臨床的研究
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概要
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癌反応診断法中,著者は比較的特異性高く価値の認められているDavis, Lehmann-Facius,松原の3反応を選び,昭和25年1月より昭和28年12月迄の4年間,石川内科入院及び外来患者に就き,同一患者に同一時期に癌患者102例;非癌患者150例に施行し,各反応の診断法としての価値の比較研究を行つた。その実験方法は,i)尿をもつてするデビス反応(以下「デ」と略)は宮本氏変法により,ii)血清のオイグロブリンをもつてするレーマンファチウス反応(以下「レ」と略)は原法により,iii)皮膚反応をもつてする松原反応(以下「松」と略)は4時間法により,iv)γ-グロブリン定量法'(以下「γ-グ」と略)はJager-Nickersonの方法により血清を分劃して得たるものを,80mg/dlの血清蛋白溶液を規準液とし,その比濁度を測定した。その実験対象は,i)前記石川内科入院及び外来で癌と診断された者102例であり,中消化管癌腫は56例,消化管以外の者は46例である。但しその中52例は手術により,又剖検乃至組織標本より確認されたものである。ii)其の他に対照として非癌患者150例であり,中消化管系統の疾患は29例,消化管以外の疾患は121例である。其の成績は次の如くである。
- 千葉大学の論文