光線と醫療(其一)(落成記念號)
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概要
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近時醫學の進歩は甚だ顕著にして、凡百の事疎より密に入り大より細に渉る、之を治療醫學の方面に求むるに、細菌學の發達は血清療法及びワクチン療法を起し、化學を輸入しでは化學療法を創め、又物理學の原理を應用して、所謂理學的療法を行ふに至れり。之に因て、昔時難治若くは不治とせられたる疾患も、僅かに數回の治療によりて全癒せしめ得べく、瀕死の病者も忽ちにして回生の途を拓くことを得べし。加之之を以て病毒の更に蔓延することを防ぎ、人世の健康と幸福とを増進する上に於て至れり盡せりと謂ふべし。以下少しく理化學を應用して行ふ理學的療法殊に最近、長足の進歩發達を遂げたる光線療法レントゲン療法及びラヂウム療法につきて少しく述ぶる所あるべし。
- 京都府立医科大学の論文
- 1914-12-31