免疫不全状態を呈する基礎疾患の合併なく口腔内感染症関連細菌により発症した肝脾膿瘍の1例
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概要
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症例は48歳の男性で,発熱,腹痛を主訴とし,前医で肝膿瘍ドレナージを受けたが,同時に存在した脾膿瘍治療のため紹介され入院となった.肝脾膿瘍のほとんどは白血病などに伴う免疫不全状態に発生し,何らかの基礎疾患なしに発症することはまれである.本症例では免疫不全状態はなかったが,高度な齲蝕歯を認めた.膿瘍から代表的な口腔内感染関連細菌Streptococcus anginosusと嫌気性の代表的な歯周病菌が検出され,口腔内感染が1次感染巣となり肝脾膿瘍を発症したと考えられた.口腔内感染症は心内膜炎などの全身疾患との関係が知られているが,これまでに口腔内感染症関連細菌による肝脾膿瘍の報告はない.USガイド下に脾膿瘍ドレナージを行い良好な結果が得られた.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 2009-08-01
著者
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