ラット脳微小血管に発現しているアグリンの同定と生理機能
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概要
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脳微小血管に発現しているアグリンのアイソフォームを解析した.ラット大脳皮質から調製した脳微小血管は,N-末が短い(SN)アグリンと,N-末が長い(LN)アグリンの両アイソフォームmRNAを発現しており,LNアグリンが主要アイソフォームであった.ラットLNアグリンのN-末をコードする遺伝子の塩基配列を決定し,N-末には疎水性のクラスターが存在し,分泌のためのシグナル配列と考えられた.アグリンの細胞内局在化機構におけるN-末の機能を調べるために,N-末と緑色蛍光タンパク質(GFP)融合タンパク質の発現ベクターを作成した.LN-GFPとSN-GFPをHEK293細胞に発現させると,LN-GFPは細胞外に分泌されたが,SN-GFPは細胞外には分泌されずに細胞膜に留まっていた.これらの結果から,脳微小血管に発現されているアグリンの主要アイソフォームは細胞外へ分泌されるLNアグリンであり,基底膜のアグリンが脳微小血管とそれに接するアストロサイトに存在するタンパク質の局在を調節していることが示唆された.
- 2009-09-01
著者
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