テラスケールの素粒子模型と暗黒物質(「第13回新潟・山形合宿」報告,地域スクール報告)
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概要
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宇宙の構造を支配する目では見えない暗黒物質,その様な物質が存在するのではないかと長い間考えられてきた。驚くべきことに,今世紀に入り,宇宙観測の目覚ましい進歩により,確かに暗黒物質が我々の宇宙に存在することが明らかになった。しかしながら存在が確立する一方,その正体については不明であるのが現状である。宇宙物理学において暗黒物質は,我々が宇宙で観測する多種多様な銀河や銀河団等の宇宙の構造形成を促した最も重要な物質であり,その性質の解明は宇宙の進化を理解するために必要不可欠である。一方素粒子・原子核物理学では,現時点で最も基礎的な物理法則を記述する素粒子標準模型が確立しているが,本模型は幾つかの問題を内包しており,暗黒物質はこれらの問題を解決するより基本的な物理原理を探索するための鍵となる粒子である。本講義ではこの暗黒物質の正体について素粒子物理学の観点から言及し,暗黒物質がテラスケールの素粒子模型と如何に関わってくるのかについて議論した。また,現在および近い将来における実験及び観測において,暗黒物質がどのように検出され得るかについても議論した。
- 2009-06-20
著者
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