雄性不稔遺伝子を保有したスギの列状配置型室内ミニチュア採種園の有効性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
閉鎖されたガラス室内に種子親として雄性不稔遺伝子をホモ型(aa)で保有した個体,花粉親としてヘテロ型(Aa)で保有した個体をそれぞれ列状に配置したミニチュア採種園を造成した。花粉親となる個体(Aa)の雄花は野外の花粉飛散が始まる19日前の2月16日から,種子親(aa)の雌花は2月12日から開花が始まり,2月下旬には両者ともに開花のピークに達した。これに対して,野外では3月7日まで連続的な飛散は認められず,飛散数のピークは3月21日だったことから,ガラス室内と野外では開花期に3週間程度のずれがあった。この採種園から得られた種子の発芽率は22.8%であり,平均的なスギの発芽率(15〜35%)と変わらなかった。その後の苗の生育も順調であり,従来の採種園産の実生苗と生育に差がなかったことや雄性不稔苗の出現率も47.3%とほぼ期待どおりであったことなどから,本採種園は効率的に雄性不稔の実生苗を生産するうえで有効な手法であると考えられた。
- 2009-06-01
著者
関連論文
- 富山県におけるケヤマハンノキ天然林の遺伝的分化に基づく種苗配布区域の検討と地域性種苗の生産体制の安定化
- 雄性不稔遺伝子を保有したスギの列状配置型室内ミニチュア採種園の有効性
- スギ花粉症対策品種の開発
- スギ花粉対策のための無花粉スギ品種開発に関する研究
- フランキアが感染した根粒懸濁液を活用したケヤマハンノキのポット苗の効果的育苗法
- 無花粉(雄性不稔)スギのデータベース
- 無花粉スギの開発状況と今後の展望(林木育種研究のいま)