慢性骨髄性白血病の治療の進歩と生命保険引受可能性
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概要
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(背景)慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia:CML)は多能性幹細胞の異常による難治性の疾患であるが,近年予後は著しく改善している。(方法)CMLの治療成績と予後について,公表されている文献に基づき分析し,生命保険引受の可能性を検討した。(結果)2001年から使用されているチロシンキナーゼ阻害剤イマチニブは,インターフェロンとの比較対照試験で60ヶ月後の全生存率89%,分子生物学的完全寛解例も見られるが,治癒例は無い。現状では同薬治療中患者の生命保険引受は謝絶せざるを得ない。一方,造血幹細胞移植はCMLを治癒させ得るが,移植後長期間死亡率が高い状態が続く。生命保険引受に関しては,移植後10年間は再発の危険性があるため不承諾。移植後10年以降は、超過死亡指数100〜200,がん,三大疾病特約不可にて引き受け可能であるが,全身状態の充分な把握が重要となる。
- 日本保険医学会の論文
- 2009-06-17