内視鏡外科手術の進歩による引き受け査定の危険選択について
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概要
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昨今内視鏡手術の適応の拡大,技術及び器具の進歩により従来とは比較にならない程の小さな手術痕で悪性疾患を含め,多種多様な疾患の手術治療がおこなわれるようになった。その為,以前と比べ,手術痕から手術の内容を推定する事が困難な事例が増加することが予想される。今回,最近増加している内視鏡手術の術痕を検討した結果,『腹腔鏡下手術のみ,完治』の告知があった場合,癌の混入する危険性は1%以下であると考えられた。また,ステージIの肺癌に対しては,胸腔鏡下肺切除術が急速に増加してきており,術痕から肺癌を否定することは困難となっている。さらに,大腸癌に対する腹腔鏡下手術の施行例も増えてきており,この場合,小さな術痕が多数残るものの,術痕が下腹部に集中する為,やはり術痕看過の可能性は否定できない。今後,保険引き受け上,十分な注意が必要と考えた。
- 日本保険医学会の論文
- 2009-06-17