日本のホテル企業におけるグローバル化の可能性
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概要
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本研究は、日本のホテルマネジメントの発展過程を振り返りながら、これまでグローバル化に到達できなかった要因を明らかにすると同時に、今後のグローバル化への可能性と条件について、国際経営学の視点から次の二点を主張したい。第一に、日本のホテル企業は、国内市場においても高度経済成長期やバブル経済を背景に、一時は日本の海外旅行者や商用旅行者の増大に伴うプル要因によって海外進出を果たした。当時の運営形態は、ホテルの所有会社が日本のホテル企業に対して運営委託を行う形態、もしくはホテルの所有会社を親会社と現地資本との合弁で設立し、所有会社自らが運営まで行う形態が主流であり、いずれの場合においても日本人をターゲットとしたサービスシステムが、日本人によって展開されてきたのである。そのため、海外の日系ホテルは親会社の経営の影響を受けやすく、バブル経済が崩壊したことを機に、売却もしくは撤退する動きが散見された。他方、欧米のホテルチェーンが親会社の経営状態に左右されなかった理由は、運営形態や収益構造が日本の手法と異なるためである。以上のことから、日本のホテル企業の海外進出に対する運営ノウハウの欠如が、これまでグローバル化に到達できなかった大きな理由として指摘できよう。第二に、上記の理由を踏まえて日本のホテル企業が個々の課題を克服するための条件について、述べていくことにする。特にグローバル化へのプロセスやグローバル化への要件を整理し、日本のホテル企業の現状と欧米のホテルチェーンとの運営形態比較しながら、日本のホテル企業におけるグローバル化の可能性について検討していきたい。
- 2009-06-26
著者
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