産学協同と経営実践学の方法(第1報告,第1セッション【経営学の実践】,日本企業の経営実践と経営教育)
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概要
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ドイツに産学協同思想を根付かせたのは、シュマーレンバッハ(Eugen Schmalenbach)である。彼は、81年の生涯のほとんどを、学問と実践との緊密な協同を実現するために尽くした。シュマーレンバッハをこれに駆り立てたインセンティブは、経営学を経営実践との緊密な協同によって発展させることだった。それは、やがてシュマーレンバッハ連合として発足し、さらには今日のシュマーレンバッハ経営経済協会へと発展していくことになる。シュマーレンバッハ経営経済協会は、2009年現在、1600余名の個人会員と約350の法人会員とから構成され、26もの研究チームを擁して、産学協同の実を上げている。こうした産学協同思想をドイツに根付かせたシュマーレンバッハの経営学は、実践への奉仕を目的とした軍学(今日の経営戦略論)であった。これに対して山城章の経営学は、「主体の論理」、「実・学一体の論理」、「KAEの原理」に基づいた独自の経営実践学であり、主体である「われ」の経営実践能力を育成し、その自己開発力の向上を図ることを、その課題としている。しかしながら、シュマーレンバッハの経営学と山城章の経営学は、決定的に両立し得ない。のみならず、ドイツの経営学界に脈々と生き続ける経営学の方法としての「客体の論理」、そして新カント派、論理実証主義、批判合理主義等における理論構築の方法とも、相容れないのである。さらに、いわゆる産学協同思想も、「実・学一体の論理」とは相容れないことが明らかになった。こうした事態は、われわれに厳しい態度表明を迫っている。
- 2009-06-26
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