老年期の孤独感と生活意識に関する研究
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概要
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本研究は,老年期の生活感情の中で孤独感に焦点を当て,個人的特性,社会的ネットワーク,他者との比較・過去との比較と孤独感との関連を検討することを第1 の目的とした。また,老年期の人々が,過去あるいは現在の自分をどう意味づけているか,質的な分析を行うことを第2 の目的とした。高齢者35 名を対象とした半構造化面接の結果,(1)好奇心・社会的スキルが無い者は,孤独感H 群がL 群よりも高い,(2)自己開示傾向が高い者は,孤独感L 群がH 群よりも高い,(3)信仰が無い者は孤独感H 群がL群よりも高い,(4)余暇を自宅で活動する者は孤独感H 群がL 群よりも高く,外で活動する者は孤独感L 群がH 群よりも高い,(5)無職者では孤独感L 群がH 群よりも高く,有職者では孤独感H 群がL 群よりも高い,(6)過去肯定者では孤独感H 群がL 群よりも高く,現在肯定者では孤独感L 群がH 群よりも高い,ことが明らかとなった。次に,過去・現在への意味づけでは,中年期過去肯定は「未来への希望」「現在の孤独」「充実感」,現在肯定は「責務からの解放」「生活のゆとり」に分類された。最も良かったと思う時期において,過去肯定は「育児からの解放」「社会的役割の充実」「経済的ゆとり」「自由」「その他」,現在肯定は「育児からの解放」「社会的役割からの解放」「家族からの追慕」「その他」に分類された。
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