教育のミソロジー : 教育における政治的社会化の新しい理論(メディアと社会)
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概要
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アメリカ占領時代に試みられた日本における教育制度の民主化から半世紀以上が経過したが,日本の学校現場における政治的民主化は殆ど問われていない.本論では日本の中学校を対象に行われたフィールドワークに基づいた理論研究であり,特別活動における教師の指導と学校という政治的縮図における政治的社会化の関係を説明する新しい理論を提示することを試みる.理論的枠組みとして,フーコーの「統治性」やベネディクト・アンダーソンの「想像の共同体」及びロラン・バルトの「神話作用」などを用いて,義務づけられた特別活動によって民主主義社会における自律的市民を育成するという矛盾を問い直す.特別活動に埋め込まれている政治的イデオロギーの受け手である学生の役割を強調することによって,機能主義的なアプローチの弱点に焦点をあて,「教育の神話作用」という新しい理論を提示する.