入院体験のある妊婦の胎児および乳児に対する愛着に関する研究 : 愛着と夫婦関係・内的ワーキングモデルとの関連

概要

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ハイリスク妊娠によって入院を体験した初産婦の入院体験と胎児および乳児への愛着の関連,内的ワーキングモデルおよび夫婦関係と愛着との関連を明らかにするために研究を行った。研究対象は,対象群:妊娠20週以降の妊婦で,入院中の初産婦および同対象の分娩約1ヵ月後,コントロール群:妊娠20週以降の正常な経過の初産婦および同対象の分娩約1ヵ月後とした。使用した尺度は,胎児愛着尺度(PAI-J)・乳児愛着尺度(MAI-J),夫婦関係満足尺度,内的ワーキングモデル(IWM)尺度の3つの尺度および,妊娠・産褥経過などの質問用紙を用いた。結果,PAI-J得点とMAI-J得点においては,対象群とコントロール群で有意差はみられなかった。しかし,入院体験のある対象群では,夫婦関係満足度が高い群ほどPAI-J得点やMAI-J得点が高く,内的ワーキングモデルタイプもPAI-J得点に影響することが明らかになった。さらに,対象群においてPAI-JとMAI-J間で正の相関がみられ,入院中の妊婦の胎児への愛着を促進する働きかけが,乳児への愛着にとっても重要であることが示された。