外国語の授業での母国語
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概要
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外国語教師なら誰でも一度は,学習者の母国語で教えたほうがよいのか,あるいは,十六世紀にモンテーニュが若い頃ラテン語を学んだ時に,ラテン語の学習によって母国語を完全に忘れてしまった例にならい,学習する言語を使って教えることで,学習者を最初から一種の言語体験環境に置いた方がより有益ではないかと,自問したことがあるだろう。本論では,まず言語教育法の専門家,言語学者,または一般の教師による母国語と学習言語についての様々な定義について解明し,そして世紀を経て最近の研究にいたるまで,外国語の授業での母国語の位置づけについて長所と短所の両面から検討していく。