中国雲南省西北部における主要少数民族の住み分けモデル
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概要
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雲南省西北部に多くの少数民族が分布、居住しているのは、各少数民族の生活空間において、住み分けを実施しているからである。住み分けが行なわれるようになったのは、生活の経済的基盤とでも称すべき農牧業を中心とした生業が、自然環境に大きく左右されているためである。すなわち、詳細にみれば、共通している農牧業は、海抜高度に見合うように、各々異なる形態を採用しているからである。そのため、各少数民族間の生活空間は、海抜高度差による垂直的な住み分けを行なうことになったのである。さらに、同一の海抜高度に居住している少数民族間では、特定の地域に集中するというように、地域的な、水平的な住み分けを実施している。このように、雲南省西北部の少数民族は、垂直的および水平的な住み分けを行なうことで、共存してきたといえる。本文では、各少数民族の住み分けに関して、具体的な事例を通して検討した。
- 2008-03-28