客観主義vs.構成主義再考 : オンライン遠隔教育環境下において(メディアと社会)
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概要
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本稿は,客観主義と構成主義という旧来対立項として考えられてきた知にたいするふたつの認識論を,遠隔教育のコンテクストにおいて再検討するものである.第一節では,心理学および教育学における両者の主張を歴史的に概観する.第二節では,両者が奉ずる学習過程とテクノロジー(もしくはメディア)による支援との関係を,遠隔教育の立場から論ずる.とりわけ,オンラインによる授業の設計は,客観主義・構成主義にもとづく知の様態のいずれをも遠隔教育において可能とするものであると考えられる.結論として,客観主義・構成主義をめぐる議論はある特定の教育コンテクストに付随するひとつの変数と考えられ,デジタル時代に育つ新たな世代の学習者たちの新たな「思考構造」により合致した知と学びの様態を表現する新たな知のパラダイムの必要性が示唆される.