考えて学日本語(教育心理学)
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概要
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外国語を外国で学ぶ場合、特に初級においては学習者が文法事項や統語パターンを「頭に入れる」段階から始まるといえよう。中級に進むとこの学習姿勢にいくらか柔軟性が出てくるようだが、授業で習ったことを「覚える」そしてそれを「使う」という基本姿勢は変わらないようだ。本稿では、そのような背景の学生達が「言語のしくみ」を認識することによって、「考える力」を会得し、日本語力を伸ばす活性剤になるのではないのかと提案する。認知言語学の「分類」の理念を基に、漢字の「手」が5分類され熟語を形成するのをまず示し、大学教育で現在注目されている「問題設定型学習法」における「問題発見」が言語学習において「考える力」の出発地点ではなく、目的言語の「しくみ」(たとえば、熟語の成り立ち)の体系的な認識・理解こそ考える力の出発地点ではないかと主張する。