結び目構造を持つタンパク質の原子間力顕微鏡による延伸実験(結び目とソフトマター物理学:高分子のトポロジー、そして物理学、数学および生物学における関連する話題,研究会報告)
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概要
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炭酸デヒドラターゼは結び目構造を持つタンパク質としてよく知られており、そのN-末端とC-末端をナノ力学的方法により反対方向に引っ張ると伸張後の分子には三つ葉結び目(trefiol knot)が形成される。単一タンパク質分子を引っ張るナノ力学実験は原子間力顕微鏡を用いて行うことができ、この実験の結果は結び目があるために両端を引っ張ると他の多くのタンパク質で見られるように分子構造が緩められるのではなく、反対に硬くなることが示された。すなわち、引っ張り実験が示す、タンパク質鎖の伸びと張力の関係を示すグラフはタンパク質分子がその全長である90-100nmまで伸びる前に、およそ20nm伸びた時点で大きな抵抗を受けることを示した。おなじタンパク質をC-末端ではなく、延伸する際に結び目を作らないように253番目の位置から引っ張ると分子は60-100nmまで伸ばすことができたので、前述した20nm付近における抵抗は結び目が絞られることに起因すると結論された。
- 2009-04-20
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