Topological Effect in Ring Polymers Studied by Monte Carlo Simulation(Knots and soft-matter physics: Topology of polymers and related topics in physics, mathematics and biology)

概要

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バルクにおけるリングポリマーの拡がりをモンテカルロシミュレーション法を用いて検討した。フローリの指数νとセグメントの分布を、Bond Fluctuation Model(BFM)を使って広い範囲のセグメント数(10≤N≤1000)で求めた。シミュレーションの結果、νはNの増加とともに減少しN=1000でν=0.365まで低下するすることがわかり、これらは理論予測であるν=2/5よりも小さい。リングポリマーのバルクにおける拡がりは、末端がないトポロジーによる自分自身による拘束と隣接するリングポリマーとの相互作用の二つによって非摂動鎖よりも小さく、かつ、分子量依存性を示すことがわかった。セグメントの分布について求めたところ、リングポリマーのセグメント数が無限大の条件では、ν→1/3を持つことが考えられることから、1/3≤ν≪0.365が得られ、実験結果をよく説明することが分かった。理論予測は、リングポリマーのトポロジーによるエントロピー低下を充分に考慮していなかったため、本研究の結果と理論予測の結果に差が生じていると結論できる。
2009-04-20