中学校教師が生徒に対して行う自己開示
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概要
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本研究の目的は、日常の授業で教師が行う自己開示について検討することであった。そこで中学校教師2名を対象に授業観察と面接調査を実施し、彼らが授業中に行う発話の内容分析を行った。その結果、(1)教師の自己開示には、情報、思考、経験、願望、に渡る内容の広がりがあり、特に生徒の成長に対する願望の開示を中心に他の開示内容が連続する様式的特徴が見出された。また、経験の開示に相当する発話内容が生徒と同年代時の体験で、そこには生徒に共感を示す機能が内在していた。(2)教師が自己開示を行う場面は道徳、学活の時間が主で、さらに、教師は生徒との関係形成初期に頻繁に自己開示を行っていた。これらの現象は、授業の目的の達成と、生徒が自己を率直に表現可能な開かれた関係を教室に構築することを目指す教師の目的、専門性に起因していた。以上より、教師は自己開示を授業方略の一つとして用いていたことが明らかとなった。
- 2009-03-31
著者
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