社会システムとオートロジー
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概要
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ニクラス・ルーマンの名は、その研究の多作と難解さとによって知られている。その現実性にたいする疑問とともに[下田1994, 3]、とくに、ルーマンの理論は難解であるという評価は、日本において、ルーマンの理論がこれまで敬遠されがちであった一因になっているように思われる。たしかに、かれの理論には、その抽象性や-みずから認めるように、システム論のパラダイム転換によるとされる-基本的枠組みの変化、矛盾する表現などにより、他の研究者による理解をむずかしくするものがあった。しかし、1984年の『社会システム理論』以後、かれの理論はしだいに固まりつつあるように思われる。そこで、本稿では、比較的最近のかれの理論を、その中核をなすと思われる近代社会の記述という側面からとらえ、紹介していくこととしたい。そのさい、導きの糸となるのが社会システムの実在性という観点である。
- 流通経済大学の論文
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