中央卸売市場における物流機能の変化と市場整備の方向
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
今日,卸売市場を取り巻く生鮮食品等の物流環境は,需要の多様化小売構造の変化生産の大型化・国際化,IT革命の進展などを受け大きく変貌してきている。生鮮食品等の市場取扱量は伸び悩み,取扱高の基本となる市場価格は低下傾向にある中で市場内の荷卸し,仕分け,加工,保管,配送等の物流領域は増加しているが,その合理化は遅々としており,卸売市場の経営基盤を低下させる一因となってきている。また,市場機能面では,産地からの大型車による積み合わせ輸送や低温一貫流通への対応,需要者サイドからの仕分け,小口配送,リアルタイム納品といった要請への対応,さらにこれらに関係する情報化対応といった点で産地,需要者から厳しい指摘がなされており,対応の遅れが市場機能の低下に結びつく可能性が高まっている。したがって,今後,卸売市場を整備するなかでは,このような物流環境の変化を踏まえた対応を行うことが急務となっている。