スクールソーシャルワーク実践理論の開発 : 学級崩壊を経験した親と学校間の仲介理論
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概要
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学級崩壊を経験した親と学校間の仲介理論(スクールソーシャルワーク実践理論)を構築し,その検証を行った.まず,学級崩壊を経験した親を対象にフォーカスグループインタビューを行い,修正版GTAにより概念を抽出した.そして,抽出した概念を用いて,親一般を対象に質問紙調査を行った.因子分析により「学校への危機意識」「教師への信頼度」「親の教育参加」「親の学校協力」「親の無力感」「仲介」の6因子が抽出され,それらを潜在変数とした仮説仲介理論を構築した.次に,仮説仲介理論を検証するために,学級崩壊を経験した親を対象に質問紙調査を行った.共分散構造分析を用いて検証した結果,モデル適合度,潜在変数間の因果係数など,仮説仲介理論の妥当性が確認された.「教師への信頼度」から「学校への危機意識」,「学校への危機意識」から「親の無力感」,「仲介」から「親の教育参加」などの潜在変数間に有意な関連が認められた.仲介は親が無力感を感じたときに必要とされることが明らかとなった.今後は本仲介理論の有効性を検証すると同時に,より具体的な仲介モデルを確立する必要がある.
- 2008-11-25