ハエとり壷からいかに抜け出すか : 松本有一氏の批判に答える
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概要
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理論経済学専攻の松本有一氏から論文「スラッファは『転形問題』を解決したのか-藤田晋吾『スラッファの沈黙』を読む-」(『経済学雑誌』第106巻第3号)と著書『スラッファ体系研究序説』(ミネルヴァ書房,1989)を恵投いただいた。論文を一読してみると拙著に対する誤読ないし誤解が多いので,きちんと返答する必要を感じた。同氏の誤読ないし誤解を解くことは同氏の論文の読者にとっても有益であろうから,本来ならば同じ雑誌に私の返答を掲載すべきであるが,それが不可能でないことを知ったときにはすでに本稿を書き終えていた。私は本稿を松本氏に対してだけでなく不特定の読者に向けて書いたので,松本論文に対する返答であるにすぎないけれども,本誌に掲載させていただくことにした。松本氏による批判と私の返答の対比が鮮明になるように,また引用符の多重使用を避けるために,対話形式を採用したが,そのため,ますます論文の体裁を失うことになった。しかし,章別編成は松本氏の論文のそれに合わせてあり,IVの4を除けば,各章節の見出しは同じである。
著者
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