アスペルガー症候群児の発達性協調運動障害の検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は、世界各国で使用され始めている発達障害児の協調運動発達検査として開発されたMovement Assessment Battery for Childrenを用いて、明らかにされていないアスペルガー症候群児(AS児)の協調運動発達の実態と問題点について検討すること目的とした。検査は、6歳から12歳の45名のAS児を対象に実施した。その結果、以下のことが明らかとなった。1)AS児は、すべての年齢層の大半の下位検査において協調運動障害を表す得点を示した。2)コントロール群との比較においてAS児は、大半の下位検査で有意に高い項目得点、運動障害得点を示した。3)AS児において重篤な運動障害得点である5点域は、「手指の器用さ」が24.4%、「ボールスキル」が28.9%、「静的・動的バランス」は8.9%の該当率であった。4)運動領域間における運動障害得点の相関は、「ボールスキル」と「静的・動的バランス」の粗大運動間で中程度の相関(r=0.540)を示した。5)運動領域と知能指数との関係は、「手指の器用さ」がr=-0.446(p<0.01)と中程度の負の相関が認められた。
- 中部大学の論文
著者
関連論文
- アスペルガー症候群児の発達性協調運動障害の検討
- 幼児の運動能力発達に関する40年間(1969年-2009年)の年代変化をみつめて(今日の幼児の運動能力は本当に低下しているのか?,シンポジウム,07.発育発達,専門分科会企画)