保育者からみた特別な支援が必要な子どもの行動特徴 : 明らかな知的障害のない子どもについて
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概要
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本研究は、保育者への質問紙調査から、保育所における「特別な支援が必要な子」の実態と行動特徴について明らかにしたものである。調査は、A市公私立保育所12園の年少、年中、年長クラスを対象に行われ、回収率は100%であった。その結果、「特別な支援が必要な子」として抽出された子どものうち、「知的発達に明らかな遅れのある子ども」(以下、「知的障害有群」)が20.9%、「知的発達に明らかな遅れのない子ども」(以下、「知的障害無群」)が79.1%であった。行動特徴についての質問項目のうち、「他児のことばを気にしすぎる」「ちょっとしたことでも意地悪をされたと思ってしまう」などの項目は、「知的障害無群」の方が「知的障害有群」よりも該当する子どもの数が有意に多かった。また、「知的障害無群」の行動特徴は、「ルール違反・対人トラブル」「感情統制の困難」「不器用・行動の遅さ」「相互性・疎通性の低さ]「注意集中の困難」に分けられることが示された。