大学生の国際性意識に関する研究
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概要
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最近よく使われる言葉に国際性という言葉がある。各種教育機関において、教育の理念を掲げるとき、また学生募集のキャッチフレーズとして、"国際性豊かな人を育てる"、"国際性の涵養"のような使い方で頻繁に使用されている。この研究は、大学生436人を対象に質問紙調査を行い、「国際性」という語を彼らがどう捉えているか、また自分の国際性をどう考えているのかを調査した結果をまとめたものである。国際性にもっとも大切なものとして選択したのは語学力カテゴリーの記述が44.2%と圧倒的多数であった。二番目に大切なものも、語学力カテゴリーの回答が最多であった。ずっと少数ではあるが、次いで、海外経験、コミュニケーション能力、行動特性などのカテゴリーの記述が続いた。また大学生たちの自らの国際性の評価は高くない。現代社会において国際性は役に立っという回答が圧倒的多数であり、自らの国際性評価は高くないにもかかわらず、国際性を伸ばすべく努力することにはあまり積極的ではないという結果であった。大学生の国際性の意味の把握が語学力に傾いていることについて、また自らの国際性についての評価や構えなどについて、日本社会の風潮、教育現場における教育のあり方という観点から論じた。