幼児期における悲しみと怒り感情の理解に関する発達的研究
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概要
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本研究では、幼児期における感情理解の発達について、悲しみ感情と怒り感情の理解に焦点をあてて検討した。年中児、年長児123名を対象に、普段どのような場面で悲しみや怒りを感じているのかを尋ね、得られた回答を分類し、発達的変化について分析を行った。主な結果は以下の通りである。(1)言及数は、怒り経験よりも悲しみ経験の方が多く、年中児よりも年長児の方が多い、(2)悲しみ経験場面での意地悪への言及と、怒り経験場面での攻撃への言及は、年中児よりも年長児の方が多い。得られた結果に基づき、(1)年齢があがるにつれ、児童期に近い形で悲しみ、怒り感情の区別がみられるようになる可能性、(2)幼児が成人とは異なった場面で悲しみや怒りを感じている可能性が示唆された。