小児固形腫瘍におけるARF/MDM2/p53経路の役割
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概要
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ARF/MDM2/p53経路は,多くの腫瘍において変異が認められ,また腫瘍の悪性化とも密接に関連し,発がん機構において極めて重要な役割を示している.p53は最も多くの悪性腫瘍で主に遺伝子変異による失活が認められる代表的ながん抑制遺伝子産物である.MDM2はp53のユビキチンリガーゼとして作用してp53の分解を促進し,ARFはこのMDM2を核小体にトラップしてp53とMDM2の接触を阻害している.小児腫瘍におけるこれらの分子の異常の頻度,異常の内容などを概論し,特に神経芽細胞腫におけるp53の局在とDNA障害刺激時の局在の変化・活性化について自験を含めて考察した.小児固形腫瘍でARF/MDM2/p53経路は様々な段階で不活化されて発がんに関与している可能性が示唆された.
- 日本小児がん学会の論文
- 2005-10-20
著者
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