腐肉におけるヨツボシモンシデムシNicrophorus quadripunctatus Kraatz,アリ類およびハエ類の時間的資源分割
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概要
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モンシデムシ属Nicrophorusでは,親が小型脊椎動物の死体を子供の餌として利用し,捕食者や他の腐食者から子供や資源を防衛する.モンシデムシ類にとって他の昆虫,特にハエ類やアリ類は重要な競争者であると考えられている.本研究では,アリ類の豊富な九州において,野外に設置した鶏肉を経時的に調べることによって,モンシデムシ類とアリ類やハエ類の資源利用様式を解析した.鶏肉設置直後からアリ類が集まったが,2日目以降はアリ類の個体数は激減した.これはアリ類が腐敗の進行した鶏肉を利用しないためと考えられる.モンシデムシ類は鶏肉設置後3日目から4日目に出現したが,この時期までにアリ類が鶏肉を完全に消費することは少ないため,モンシデムシ類とアリ類は直接の競争をすることなしに資源を使い分けている.一方,設置3日後の鶏肉には,ハエ類の幼虫が多数みられ,モンシデムシ類にとってハエ類は重要な競争者であることが示唆された.
- 2008-12-25
著者
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