茨城県八溝山麓における野生ハナバチの種構成と花の利用様式
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
2000年4〜11月にかけて関東北部の八溝山麓(茨城県大子町)において野生ハナバチの種構成および開花植物の利用様式を調査し,6科58種,1741個体のハナバチを採集した.この中で種数から見て優勢な科はコハナバチ科(18種),ヒメハナバチ科(17種),ミツバチ科(13種)で,個体数で優勢な科はコハナバチ科(780個体),ミツバチ科(755個体),ヒメハナバチ科(135個体)であった.ミツバチ科のトラマルハナバチ(359個体)を最優占種として,11種が優占種と認められ,全個体数の80.8%を占めた.本調査で得られた種構成を1978年に同地域で実施した調査および茨城県内の他の3地域の調査結果と比べた.本調査と1978年の調査で優占種はほぼ共通しており,2つの調査間の群集類似度は極めて高かった(C_λ=0.80)が,1978年の調査で個体数の少なかった(全採集個体の1.0%未満の)57種のうち,未同定の9種を含む34種は本調査で採集されなかった.本調査期間中に138種の開花植物が記録されたが,このうち22科57種がハナバチによって訪花された.キク科の花上で最も多くのハナバチが採集され,全個体の31.2%を占めた.すべてのハナバチの中で,ニジイロコハナバチが最も大きな資源利用多様度(Bi=9.19)を示した.
- 2008-09-25
著者
関連論文
- 茨城県におけるナガサキアゲハ(チョウ目:アゲハチョウ科)の記録
- 茨城県八溝山麓における野生ハナバチの種構成と花の利用様式
- タイワンハリナシバチ(Trigona ventralis hoozana)と台湾産トウヨウミツバチ(Apis cerana ssp.)の地理的分布および営巣場所の比較
- 茨城県南西部におけるツマグロヒョウモン(チョウ目:タテハチョウ科)のいくつかの記録
- 茨城県におけるニホンヤモリ(Gekko japonicus)の分布
- 筑波山塊におけるクロミドリシジミ(チョウ目:シジミチョウ科)の記録
- 強い採集圧をかけたホソオチョウ個体群の4年間の発生状況--ホソオチョウは採集によって減るか?
- 丸山弘良コレクション ソロモン群島のチョウ〔含 図版と説明〕
- 茨城県のネジレバネ目昆虫
- ミュージアムパーク茨城県自然博物館における展示利用行動調査
- 筑波山および茨城県南部と西部の平野部におけるウラギンヒョウモン(チョウ目:タテハチョウ科)の採集・目撃記録と分布
- 茨城県で採集されたハチ類8種の記録
- Parapolybia takasagona SONANの正体(膜翅目,スズメバチ科)
- 茨城県阿字ヶ浦海岸砂丘における野生ハナバチ群集の種構成と花の利用状況
- 茨城県のドロバチ科(Eumenidae)ハチ類
- 茨城県筑波山系におけるハコネサンショウウオOnychodactylus japonicus(HOUTTUYN)の水中生活期の生態
- 茨城県における2004年夏のクマゼミ(カメムシ目:セミ科)の記録
- 茨城県におけるハナバチ群集と開花植物相の関係
- 茨城県で初記録となるアナバチ類(Hymenoptera: Spheciformes)
- 茨城県におけるハチ目昆虫のいくつかの記録
- 関東におけるイラガセイボウ(ハチ目:セイボウ科)の寄生率といくつかの新知見
- 茨城県で記録されたハチ目昆虫
- ミュージアムパーク茨城県自然博物館の敷地内およびその周辺で採集された野生ハナバチ(Hymenoptera, Apiformes)
- 茨城県ではじめて記録されたアナバチ科ハチ類3種(Hymenoptera, Sphecidae)
- スズバチ(Oreumenes decoratus Smith)の造巣活動
- ツツハナバチ属(gen.Osmia)2種の営巣習性
- 茨城県におけるタガメ(Lethocerus deyrollei)の分布
- ボランティア活動による博物館野外施設でのホタル飼育の記録
- 借坑性ハチ類は巣の中でいかに定位するか
- 茨城県美浦村陸平貝塚における野生ハナバチ群集の種構成
- 筑波山の甲虫目録