マタニティダイアリーを妊娠初期から妊娠末期に継続的に使用した効果について

概要

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本研究の目的は,妊娠期の肯定的側面に焦点を当て開発したマタニティダイアリーを,妊娠初期から妊娠末期まで継続的に使用しながら看護介入を行った結果,マタニティダイアリーの使用は妊婦に対してどのような効果があったのかを明らかにすることである。妊娠期の肯定的側面である快適さの体験に焦点を当てた看護介入を妊娠初期に2回,妊娠中期と妊娠末期に1回ずつ,マタニティダイアリーを用いて面接を中心に行った。初産婦を対象に妊娠9〜11週にマタニティダイアリーを手渡し,2〜3日から1週間に1度くらいの割合で妊娠末期まで記述してもらうように依頼をした。妊娠末期までマタニティダイアリーを記述し看護介入面接を受けた初産婦13名を分析対象者とした。平均記述頻度は1.35回/週であった。記述内容を質的帰納的に分析した結果,マタニティダイアリーは,肯定的感情を伴う出来事を考える機会や看護介入面接時にそれらの出来事を想起するためのものにとどまらず,それらを記述することで,肯定的感情の意識づけや自己の生活の客観視へとつながっていた。また,妊娠期の情報源や生活の楽しみとなるなど,妊娠生活において幅広く活用されていた。