中生層より見た東北日本と西南日本(<特集>東北日本と西南日本)
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概要
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この問題を考えるには先ず中生代のそれぞれの時代にどういう地質区分が認められるか,それらの地質区の地史的発展の独自性・関連性はどうなのか,その上で大区分として東北日本・西南日本の区別が妥当であるかどうか,というのが筋道と思う.しかし実の所,筆者はこういう観点から検討したことはないし,これから検討する余裕もないので,取敢えずまとまった考えを述べるだけで責を果させて頂きたい.市川浩一郎は日本の三畳系を大きく東北日本・西南日本外側・西南日本内側の3地域にわけた.松本達郎はユラ系を内側と外側の2地域に区分し,東北日本と足尾山地(岩室層)は内側に含めた.また白堊系については東北日本・西南日本外側・同内側に3分し,北海道は東北日本に入れ,西南日本中軸帯(中九州および和泉帯の白堊系)は内側と見なした.山下昇は本州造山以降(すなわちユラ紀後半以後の本州地背斜時代)は"東北日本・西南日本外側(秩父累帯)・西南日本内側(中国帯とひだ帯)の区域別が極めて長期にわたって認められる"と述べている.このようにはっきり意識すると否とに関らず,中生層を3つの大きい地質区に分けていることが多い.筆者もまたこの区分は,現在の段階では一・応妥当なものと考える.以下に簡単にそれらの特微を述べる.
- 地学団体研究会の論文
- 1958-03-28
著者
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