ヒメシヤラ材を原料とする硬質繊維板の製造条件に関する研究 : 第1報解離条件の性質に及ぼす影響

概要

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ヒメシヤラ材を原料として,硬質繊維板の性質に及ぼす解離条件の影響を究明し,併せてヒメシヤラ材の硬質繊維板原料としての価値を検討する目的でこの研究に着手した.解離条件としては予熱時間及び解繊時間を採り上げて,それぞれ4,6,8,10分間及び0.5,1.0,1.5,2.0分間の4段階に変化させた.尚解離温度は約175℃とした. 又熱圧条件は圧力50kg/cm^2,温度170℃,時間20分間に規定した.実験結果を総括して第1表に示した.実験結果の統計処理によつて次の事柄が明らかになつた.1.予熱時間の増加に伴つて,収率(第2表,第2図,第1式),含水率(第5表,第6図,第4式)及び曲ゲ強サ(第7表,第9図,第6式)は減少するが,比重(第4表,第5図,第3式)は増加する.2.解繊時間の増加に伴つて,収率(第2表,第1図,第1式)は減少するが,曲ゲ強サ(第7表,第8図,第6式),曲ゲヤング係数(第8表,第10図,第7式)及びブリネル硬サ(第9表,第11図,第8式)は増加する.3.製造しか硬質繊維板の中でJIS2号品に合格するものは丁度90%であつた.故に予熱条件の緩和と解繊条件の増加並びにサイズ剤の添加及び後処理等を適当に行う事によつて,ヒメシヤラ材は硬質繊維板の原料として,更に検討を進める価値を持つ事を認めた.
九州大学の論文