肺癌における経食道内視鏡的超音波検査法の検討 : 縦隔リンパ節転移診断について

概要

論文の詳細を見る
1987年6月より1988年2月の間に国立がんセンターに手術を目的として入院した原発性肺癌症例で,経食道内視鏡的超音波検査(EUS)により縦隔リンパ節の術前評価をした101例のうち,病理組織学的検索のなされた74例を対象とした.7.5MHzラジアル走査式GF-UM2 (オリンパス社)を用い,超音波画像上,辺縁が明瞭で厚みがあり,癒合状或は分葉状の低エコー像を示すリンパ節を転移陽性とした.領域別の成績は,366領域中sensitivity; 51.9%, specificity; 98.1%,Positive predictive accuracy; 82.4%, negative predictive accuracy; 92.2%, overall accuracy; 91.3%であった.解剖学的理由により殆ど観察不可能である右上縦隔以外の成績ではsensitivity; 84.0%であった. EUSは優れた縦隔リンパ節転移診断能を持つと思われるが,観察域に死角があり,CTと併用することにより,より正確な縦隔リンパ節の評価ができるものと考える.
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会の論文
1988-09-15