肺気腫手術における^<133>Xe SPECTを用いた肺局所異常残気検出の有用性

概要

論文の詳細を見る
肺の^<133>Xeガス洗いだしSPECT (single-photon emission computed tomogrphy)が肺局所の残気貯留を鋭敏に描出しうることに着眼し,以下の検討を行った.対象と方法:肺気腫患者のうち,CT上明らかなブラがないもの8例(non-bullous type)と,中程度以上の大きさのブラを伴うもの10例(bullous type)を対象とした.^<133>Xeの洗い出し曲線で平衡時の放射能が半減する時間(T_<1/2>)を洗い出しの指標として求めた.結果:non-bullous typeでは,CT上均一に見えても,^<133>Xe SPECTで異常残留を示す部が不均一に存在した.異常残気部を切除することにより,術後全肺野のT_<1/2>は128±26秒に短縮した(術前:144±37秒).non-bullous typeの%FEV_<1.0>は42±5から51±2%に,PaO_2は70±3から81±1mmHgに,PaCO_2は53±4から48±3mmHgに改善した.
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会の論文
1997-03-15