心停止ドナー肺移植の実験的検討 : 保存後両肺移植モデルによる検討
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概要
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心停止ドナー肺に,100%O_2によるinflateおよび,灌流液に二つの添加物を加えることにより,保存時間の延長を犬両肺移植モデルにて検討した.ドナーはヘパリン化することなくKLCにて犠牲死後,100%O_2にてinflateし2時間室温下に放置した.肺をEPC (aphosphate diester linkage of Vit. E and Vit. C)添加LPDG (low potassium dextran glucose)液でflushし,最後にウロキナーゼを注入した.摘出後EPC添加LPDG液に単純浸漬保存した.保存後,心肺バイパスを使用せず両肺移植した.移植後各群とも経時的に6時間まで移植肺機能を評価した.TIT (total ischemic time)にて以下の3群に分けた.1群(n=6):12時間,2群(n=6):18時間,3群(n=6):24時間.各群とも前例6時間生存した.1,2群とも呼吸機能良好で,血行動態も安定していた.3群のうち2例は,呼吸機能不良であった.以上より,心停止後2時間の肺を18時間保存できる可能性が示唆された.
- 特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会の論文
- 1997-01-15