原発性肺癌に対する胸腔鏡下肺葉切除と標準開胸による肺葉切除の周術期での比較

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概要

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原発性肺癌に対する胸腔鏡下肺葉切除の術中,術後早期,中期の諸因子を標準開胸による肺葉切除と比較検討した.cT1N0M0と診断された非小細胞肺癌46症例のうち70歳以上の12症例に胸腔鏡下肺葉切除と肺門縦隔リンパ節サンプリングを施行し(以下,胸腔鏡群), 70歳未満の34症例に後側方開胸による肺葉切除と縦隔郭清を施行した(以下,開胸群).胸腔鏡群の手術時間は開胸群より長く(5.3±0.2 vs.4.3±0.1時間),また胸腔鏡群のディスポ製品消費額も開胸群より高額であった(42.1±4.8万円vs.4.8±0.6万円).胸腔鏡群の術後疼痛スコアーは開胸群より低かった.肩関節可動域,術後3ヵ月の肺機能には両群間でほとんど差がなかった.3年生存率に両群間で差はなかった(胸腔鏡群83.3%,開胸群97.1%).今後,胸腔鏡下肺葉手術がT1N0M0肺癌の標準術式になるうる可能性があると考える.
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会の論文
1996-07-15

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