演出された「南国」イメージ : 宮崎・日南海岸における南国的景観の造成
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概要
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本論文は、宮崎県を研究フィールドとして、一地域の観光地化による文化変容の過程を記述し考察する観光文化史的な研究の一部分である。宮崎県の観光イメージは、戦前・戦中の天孫降臨の「聖地日向」というイメージから戦後には「南国宮崎」というイメージへと変容を遂げた。先行研究においても、こうした宮崎の観光イメージの変容は指摘されてはいる。しかし、観光開発による「南国」イメージの演出過程についての考察は、十分に深められてきたとは言いがたい。そこで本論文では、まず、「宮崎観光の父」とも呼ばれる宮崎交通の初代社長、岩切章太郎が書き残したテクストにおける「南国」イメージの演出に関連する記述について考察を加えた。結論部分では、岩切章太郎が、宮崎交通による観光開発において、「南国」イメージをフレームとして考えていたことを指摘した。
- 2007-12-15