環境配慮行動のための簡易版ISOの課題とは? : 京都KESと神戸KESMの実態調査より
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本論文では、環境配慮行動を社会に広げていくためにはどうすればいいか、と言う問題意識をもとにして、環境マネジメントシステム規格を切り口として取り上げた。その中でも、低コストで比較的簡単に取得できるとされている「簡易版ISO」の中で、京都から始まった「KES規格」を取り上げることとした。今回は、KES規格が誕生した、京都府京都市の「京のアジェンダ21フォーラム・KES認証事業部」と、同規格を取り扱っている、兵庫県神戸市の「こうべ環境フォーラム」を調査対象とし、審査認証事業の実態調査を行った。結果として、京都は民間企業の主導で行われており、製造業を中心として比較的多業種多地域に広がりを見せているのに対して、神戸では、地域行政主導で取り組まれており、建設業を中心として地域社会集約的な広がりを見せていることがわかった。今回の調査では、同じ規格を扱っていても、地域や活動主体が違えば広がり方に差が出ることがわかった。産業構造などの地域性によって簡易版ISOの広げ方には固有性がでることがわかり、地域ごとに合った取り組みをしていくべきであることが見えてきた。今後全国的に環境配慮行動のための簡易版ISOを広めるには、全体としての統括と、地域に適合した形で活動できる柔軟性が必要となってくるであろう。
- 2007-12-15