52. 防災都市構造計画に関する研究 その1 : 都市の地形と人口規模との関係
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概要
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研究の目的 世界的にも有数の地震発生国である我が国は、これまで1923年の関東大震災クラスを前提とした種々の地震対策の検討が進められてきたが、それらは主にモノ中心の防災対策であり、モノとモノ、モノと人などの関係性や時間の流れの中での変化を本格的にとりいれた視点で都市防災が語られることは少なかった。先の阪神大震災では、従来の防災対策の不備が5500人を越える被害者という形で浮き彫りになったが、今後の地震は直後の状況を素早く把握して時間の節約を図り被害を最小限にくいとめるためのシステムを確立する必要がある。本研究は都市を構成する外的要素、内的要素の関係性から都市構造のあり方を考え、総合的に都市の防災構造を検討するものである。さらに都市の安全化対策のための具体的対応策を誘導するようなシステムを構築することを目的とする。今回は都市の地形と人口規模との関係を取り上げた。 研究の方法 (1)人口50万人以上の都市圏を取り上げる。(2)地形からみた都市の自由度を表す尺度(開放角度)を設定し、都市を分析する。(3)対象都市圈の面的規模、人口密度、人口集中地区人口比を調べる。(4)(3)のデータと(2)の分析結果を3次元マトリックスに表す。(5)(4)のデータを考察する。 結論 阪神大震災では神戸という都市の地形的な形状が被害拡大の一要因であった。本研究の調査分析によって広島、福岡、京都、北九州も神戸のように地形的なハンディを負っており、地形的なことを踏まえた防災都市構造計画が必要である。日本列島全体も同じような視点からみると、山と海とに囲まれた神戸のような線形の構造をしており、決して地震に強い都市構造とは言えない。これは日本国土全体の防災都市構造計画が必要なことを示している。
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