26. 静岡県地震防災センター利用者を対象とする意識調査
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
静岡県地震防災センターは東海地震に備えるため、県民の防災意識の啓発・防災教育を行う拠点施設として、1989年4月に開館した施設である。会館以来利用者数は12万人余を数え、その内訳は団体8万人弱、個人5万人弱となっている。特に、各方面の団体に満遍なく利用なされており、団体内訳は自主防災組織他地域防災団体18%、事業所他企業団体18%、婦人会他地域団体21%、小学校他学校団体18%、市町村他行政団体14%および県外の団体(外国含む)11%となっている。当センターでの啓発・教育活動は地震の基礎知識、地震災害の様相、そして地震に備える対策を体験を通じて、また、映像・音響設備を活用して利用者が分かりやすく学ぶことができることをその特徴としようとしている。今回実施した調査は利用者がさらにどのくらい東海地震について再認識し、現実に利用した人が防災対策を見直したかを調査し、当館で実施している啓発・教育の効果を分析すると共に、今後の運営の参考に資することとした。調査は2つあり、1つは最近3カ月位の間に一階の展示体験施設を見学した団体の人だけを対象に、展示体験施設で印象に残ったところはどこか、説明の仕方はどうであったかを尋ねる「案内に対する感想等」を見学後、調査表に記入してもらい、直ちに回収するものと、2つめの調査は1つめの調査に応じてくれた人の一部を対象に「家庭内対策の実行の有無」を調査表を郵送し、回収するものである。なお、個人利用者ではなく、団体利用の個人を調査対象とした理由は調査の便宜のためである。今回発表するのは、2つの2つの調査のうち、すでに調査を終った前者についてであるが、結果を要約すれば次のとおりである。展示体験施設の印象などでは地震、煙及び消火の体験施設と津波シミュレーション、世界の地殻プレートの展示施設について評価する利用者は多く、建設当初から当センターが目指す方向として整備した施設は概ね満足いく結果を得たが、反面、当初から展示方法や技術等が難しい等課題をかかえていた「生きている地球」等導入部展示施設、『非常持ち出し品』等防災対策展示施設及パネル展示施設は軒並み評価してくれる利用者は少なかった。また、説明のし方の善し悪しの一応の基準である分かりやすい内容、聞きやすい声、接する態度については概ね良好な結果を得た。