歯髄におけるFibroblast growth factor 18発現
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概要
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歯の発生にはさまざまな成長因子が関与することが知られているが,Fibroblast growth factor(FGF)もその一つである.そのFGFファミリーの一員であるFGF18は,骨・軟骨形成において細胞の分化・増殖を制御する.今回,われわれはマウス歯髄組織におけるFgf18の高い発現と,そのレセプターであるFgfr2,3の発現を確認した.さらに,歯髄細胞系の株化細胞であるMDPC-23,骨芽細胞系細胞への強い分化能をもつ株化細胞Kusa-Alに対するFGF18の作用を検討したところ,FGF18はこれらの細胞に対し増殖を促進する作用を有するほか,ALP活性の抑制,石灰化結節形成の抑制といった作用を示すことが明らかになった.これらのことから,FGF18が歯髄組織において重要な伝達物質であることが示唆されたが,詳細な機能を明らかにするためにはさらなる研究が必要である.
- 特定非営利活動法人日本歯科保存学会の論文
- 2007-02-28
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