日本語学習者における初級文型の習得について
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概要
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日本語学習の初級段階で導入する文型のうち,どの文型が習得しやすく,どの文型が習得しにくいかについて,初級クラスの文法宿題・小テスト,作文,OPI会話を資料にして調査した。その結果,各項目の文法的意味理解は90%前後で理解されていると判断できたが,「らしい」「てある」が70%前後で低かった。また,自然会話による産出面では活用語の「非過去肯定>非過去否定>過去肯定」の順で使用率が高かった。接続助詞では「から」「たら(仮定)」「とき」が,モダリティーでは「たい」「と思う」に使用が集中した。逆に「受け身」「使役」「つもり・はず・わけ」などはほとんど使用されなかった。しかし,目標文型を焦点化した課題作文では「使役・使役受け身」「てある」「ておく」なども高い確率で現れた。さらに文法正答率の高い学習者は概ね自然発話での使用文型も豊富で複文の数も多かった。
- 久留米大学の論文