宗教多元主義思想についての批判的考察 : 滝沢克己を中心に
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概要
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ジョン・ヒックの宗教多元主義は、西洋キリスト教の排他性に対する一つの問題提起となった。しかし、宗教多元主義は日本のような非西洋的な社会においても、批判的な役割をもちうるのか。本稿では、日本の思想家滝沢克己を宗教多元主義者として位置づけ、この疑問について考える。滝沢は「インマヌエル」という思想を展開した人物である。この思想にもとづいて、彼は、キリスト教だけでなく日本の諸宗教によっても救済が得られると論じ、従来のキリスト教の排他性を批判した。滝沢のインマヌエル思想は、ヒックの宗教多元主義と多くの類似点をもつ。しかし滝沢は、この宗教多元主義的な思想にもとづいて、日本の国体にも真理が現れていると論じ、自己の相対性を認めないキリスト教を、国体に抵触するものとして批判している。日本においては、宗教多元主義的な言説そのものが、異物を排除/同化する一種の「排他主義」としての意味をもちうる。
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