ヒト単球由来マクロファージにおけるliver X receptorαの発現と脂質代謝に関する研究
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概要
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Liiver X receptorα(LXRα)は核内受容体スーパーファミリーのひとつであり,主にマクロファージに発現して脂質代謝に関わる.本研究ではGM-CSFの存在下で分化したヒト単球由来マクロファージ(GM-Mφ)とM-CSFの存在下で分化したマクロファージ(M-Mφ)を用いて,LXRαと脂質関連分子の発現について検討を行った.培養5日後のGM-MφはM-Mφに比べてLXRαとABCA1陽性細胞が有意に多く,LXRαの蛋白発現が高かった.培養5日目に酸化LDLを添加し,その48時間後のGM-MφはM-Mφに比べ脂質の取り込みは有意に増加した.以上の結果から,GM-MφはM-Mφに比べ脂質代謝により大きく関与していると考えられた.GM-MφはLLXRαの合成リガンドTO901317によってLXRαとABCA1の蛋白発現が増加した.GM-MφにLPSやZymosanを添加するとLIXRαやABCA1の他,MSR-Aの発現も有意に減少した.さらにGM-MφにLPSやZymosanを添加し,さらに酸化LDLを添加すると5日後に脂質の著しい蓄積が見られた.以上の成績からLLXRαはマクロファージの炎症反応と脂質代謝に重要な役割を果たしており,LPSやZymosanによる工XRαおよびABCA1の発現低下が泡沫細胞の形成に関与すると考えられた.
- 新潟大学の論文