幼稚園・保育所における園児の食・生活習慣についての比較研究
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概要
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幼児期は身体機能、情緒、知的能力などの発達が著しく、生活を営んでいく上で食・生活習慣が身につき、社会生活適応の基礎が形成される。これらの習慣形成には幼児期の家庭教育が重要である。また、幼稚園・保育所での食環境が幼児の食習慣や嗜好に大きく影響すると考えられている。本研究では、集団保育施設での意識や環境の違いによる幼稚園と保育所の園児の食・生活習慣の比較調査を行った。また、保護者の家庭における食に対する意識と園児への影響について調べた。そして、今後必要とされる集団保育施設内の園児や保護者に対する食育や栄養教育について検討を行った。調査対象は、近畿地区より無作為に抽出した私立幼稚園5園及び私立保育所8施設の5・6歳児の内、回答が得られた園児286人(幼稚園168人、保育園118人)とした。今回の結果から、幼児期の食・生活習慣の形成には集団保育施設での食育よりも、生活リズムなどの家庭環境や保護者の食意識・態度、保護者とのコミュニケーションなどが大きく影響していることがわかった。今後、幼児に対して正しい食・生活習慣を身に付けさせるために集団保育施設では、園児に対する食育を通して、保護者に食・生活習慣に関する家庭環境の問題点に気付いてもらい、改善するよう働きかけることが最も重要である。そのためには、保護者がゆとりある生活環境を保つことのできるような地域社会づくりの重要性も同時に示唆された。
著者
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木林 悦子
園田学園女子大学人間健康学部食物栄養学科
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西谷 香苗
園田学園女子大学児童教育学
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上野 恭裕
園田学園女子大学短期大学部幼児教育学科
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木林 悦子
園田学園女子大学
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西谷 香苗
園田学園女子大学
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上野 恭裕
園田学園女子大学
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