「隣接ペア」再考
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概要
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「隣接ペア」は会話分析の最重要概念となっており、疑問の余地のないものであるかのように長く扱われてきたが、その定義はかなり形式化されたものであり、それゆえの曖昧さを伴っている。その結果、隣接ペアは一様なものと見なされてきた。この形式的な一様性に対し、隣接ペアを定式化したシェグロフ自身が3つのペア・タイプを区別している。確かに、彼の見方は発話間の関係を理解するうえでは有用だが、隣接ペア相互の関係や隣接ペアと会話全体との関係を分析するにはあまり役に立たない。そこで、会話構造という観点を導入することによって、個々の隣接ペアの独自性を明確にし、会話の全体構造の見取り図に位置づけることが可能になる。